2020/7/5
# オンライン「じょばに」第166号(2020年7月)
コロナの時代の愛
新型コロナウィルス感染に関して,世界中で生じている様々な事態に目を向けると,私は,1982年にノーベル文学賞を受賞したコロンビア出身の作家,ガブリエル・ガルシア・マルケスの小説「コレラの時代の愛」を思い出します。それは,コレラが大流行した時代に,若いカップルが新しく見つける愛の物語です。このカップルは,二つの理由で引き裂かれてしまいます; 1. その地方で既にコレラが大流行していたから。 2. 女性の父親が二人の交際に大反対だったから。
COVID-19(新型コロナウィルス)と戦うために,世界中の国々が課している多くの規制と同じように,カトリック信徒は,ミサに与れないとか外出禁止のために教会へ行けなくなったという状況が増え続けています。このウィルスは,小説の中で描かれた父親のように,愛する人から,神の愛への信頼から,私たちを遠ざけようとする,まさにその父親です。
しかし妨げられていても,愛である神は(教皇,司教,司祭,修道者や世界中に派遣されている宣教師の内に存在する)愛し合う人と再び繋がれる方法を見つけ出します。
フランシスコ教皇の「インターネット上の小教区共同体(Virtual Parish))は、空虚な喪失感を埋める試みです。それは都市封鎖(ロックダウン)されている間,私たちの信仰は神のみことばによって育まれ強められるとする,全信徒への招きです。毎日のミサと様々なの祈りは,何処ででもその様子を見守り,ライブで参加出来るのです。ローマ近在のある司祭は,屋根の上でミサを捧げ,その地区のカトリック信者は各自の家の建物の中でミサに与り,霊的聖体拝領――いかなる理由にしろ,ご聖体を受けられない時に繰り返される祈り――をすることが出来たのです。フランシスコ教皇のメッセージの一つは,この危機にあって,世界中の司祭たちが「独創性」を打ち出していることへの感謝でした。
読者の皆さん,特に若者たち,あなた方も自分の信仰に生きる上で,とりわけ今このような時には,創造性豊かになれるでしょう。孤立している時には,カテキズム――カトリック教会の教え――が教えていることを忘れないで下さい。神は――インマニュエル――いつも共におられます。生活の中にイエスさまを見出すようにと,私は勧めます。見つけたら分かち合って下さい。どのように?あなたの周りの人々への愛の使者となることによってです。家族と過ごす時間をより多くとって,愛情表現して下さい。家庭にあっては,掃除,洗濯,皿洗いなどのお手伝いをしてお母さんを手助けし,兄弟姉妹や高齢の祖父母を気遣いお世話をしてあげて下さい。その人たちと共に祈る時間をつくって下さい。
コロナの事態は,人と人との間隔をあけるようにと求めていますが,地域の気配り・お世話を排除することではありません。身体接触の間隔に気をつけながら,共同社会的な気配りは忘れないようにしましょう。それこそがイエスさまがなさったこと,私たちと共におられる神です。
何事があっても,神は私たちを愛し続けて下さいます。そして,私たちはどんな時でも見つけることが出来るでしょう,コロナの時代の愛を!
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今回は,青年センター担当司祭であるランディ神父様よりメッセージをいただきました。
※ この記事は,第165号「担当司祭より」(未発刊)にも掲載されています。
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