[ 指 針 本 文 ]
カトリック京都司教区 小教区規約作成のための指針
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京都教区の全小教区で『共同宣教司牧』を推進していくために、その理念と精神を教会共同体として組織的に生かして表現したいと思います。小教区の運営が、『共同宣教司牧』にふさわしく、かつ円滑に、そして機能的に行われるように、小教区の規約を以下の指針に従って作成してください。
なお、京都教区内のすべての小教区の規約を、相互に参照し、理解を容易にするために、その中で使用されるいくつかの用語を統一しておきます。
1.規約作成について
1−1 (「指針」での条項を盛り込む)
まったく新しい規約を作るのではなく、小教区でそれぞれ現行の規約を土台にして(成文化されていないところも、現行の習慣等を土台にして)、以下に示す「指針」の条項を盛り込んだ小教区の規約を作成します。ただし、巡回教会など、共同体の規模によって、特定の条項の免除を希望する場合は、ブロック司祭団の指導を仰ぎ、モデラトールを通じて司教に予めその許可を得るようにしてください。
1−2 (教区共通理解の上に)
規約作成の文章化に入る前に、共同宣教司牧のために小教区の新たな運営の骨子となる事項ついては、「緒言」を参考にして、それらの意味を一つ一つよく理解した上で、小教区の実情に応じて改変する運営を検討してください。
1−3 (小教区の自由裁量)
「指針」では、規約に盛り込むべき事項を実施するために定めて置かなければならない関連事項や、多くの詳細について、各小教区で自由に検討するようになっています。教区の指針を理解した上で、自分たちの小教区の伝統や慣習を尊重して、また現行の運営方法や事情によく照らし合わせて決定してください。
1−4 (目標期間)
この規約作成の作業は3年間をめどにします。したがって、2004年1月からこの作業に入り、2006年の12月までに、どの小教区も新しい規約に基づいて運営されるようにしてください。
1−5 (司教の承認)
今後、各小教区の規約は、各教会で審議の後、司教の認可を得て発効するようにします。したがって、新しい小教区規約が出来たら、ブロック担当司祭団の承認を受けて、教区に提出してください。教区が認可して発効します。そのとき、場合によって、司教からの若干の修正を含む指導があります。このためには数ヶ月を要するため、早めに教区と相談してください。
2−1 (設置と名称)
まず、すでに小教区にある「信徒会」等の組織を廃止してください。そして各小教区に「小教区評議会」を設置してください。名称は、「カトリック○○教会評議会」とします。
2−2 (「小教区評議会」の規約の名称)
2−3 (目 的)
「小教区評議会」は、小教区がカトリックの普遍教会、および京都司教区の教えと方針に一致したビジョンを持ち、福音宣教する共同体になるという『共同宣教司牧』の目的のために資する運営を行うために設置します。
2−4 (主 宰)
「小教区評議会」は、京都教区司教から任命されたブロック担当司祭団が主宰します。場合によって、司教から任命された修道者がこれに含まれます。
2−5 (評議員)
「小教区評議会」の「評議員」は、次のものによって構成されます。
@ 信徒の代表として選出された「役員」
A 各部会の代表者
B その他のグループの代表者
2−6 (評議会の会合)
「小教区評議会」の会合は、ブロック担当司祭団の召集によって定期的に開催されます。定例の会合を規約に定めておいて下さい(通常は毎月、ただし8月を除いてもよい、など)。また、臨時の会合も、ブロック担当司祭団の判断で開催されます。
2−7 (審議事項)
「小教区評議会」は、小教区の運営活動全般に関わる事柄について審議し決定します。主な事項は以下のとおり。
@ 小教区の宣教司牧に関する基本方針(長期、短期)の作成。
A 宣教司牧方針に基づく年間行事の決定。
B 予算と決算の承認、および予算外の支出の承認。
C 各種部会、任意団体・グループ等の設置や改変。
D 「小教区評議会規約」の変更。
E その他の重要事項。
2−8 (審議決定と承認)
出席者の合議により、福音の精神による対話を大切にして、結論を出します。決定事項は、ブロック担当司祭団の承認を経て、実行されます。
3.「役員」について
3−1 (役員の選出)
@
「役員」とは、従来の「信徒会」の「信徒会長」およびそれと同等、また補佐する役職のことです。「小教区評議会」では、教会運営に奉仕する信徒の代表者のことです。
A
「役員」の定数は自由ですが、最低3名を置いて下さい。
B 「役員の選出は、ブロック担当司祭団と共に行う」というのが、基本方針です。したがって、担当司祭団が、信徒の意見を聞くという意味で、小教区の実情に合わせて「役員」の選出方法を定めてください。
C
役員選出の関連する詳細(立候補・推薦、信徒の選挙による投票、任期、再任の可否、等)は、規約に明記してください。
D
一般に教会で選挙を行う場合は、選挙権、被選挙権ともに、その教会に在籍する、20歳以上の信徒が有する、とします。
E
「役員」は、ブロック担当司祭団からの任命の形を取ることにします。
3−2 (「役員」の任務)
@ 「役員」は、ブロック担当司祭団と共に、小教区における『共同宣教司牧』のチームとなって、小教区全体の運営について調整します。
A 「小教区評議会」の会合の準備、議事運営、記録等を行います。
B 小教区の代表として「ブロック会議」や「地区協議会」に派遣されます。
4.「部会制度」について
4−1 (部会制度の導入)
小教区における重要で不可欠の活動のため、全小教区において部会制度を導入します。既にこのように動いている小教区では、それを充実させてください。これらは、「小教区評議会」の内部または下部組織ではなく、「小教区評議会」で決定された小教区の方針にしたがって、活動する執行機関です。
4−2 (共通部会)
各小教区に必ず設置しなければならない部会は、「教育部」「典礼部」「広報部」「施設管理部」「財務部」の5つです。これらを、京都教区での共通部会とします。
この5つの部会の活動内容については、最低以下の事項を業務分掌としますが、それら以外の内容を、小教区の実情に応じて追加することができます。ただし、その場合、同じ『共同宣教司牧ブロック』内の小教区同士で、出来るだけ同じ内容にするといいでしょう。
「教育部」 |
○ 求道者の教育
○ 子ども・青年の信仰教育(教会学校担当・青少年活動)
○ 信徒養成(聖書勉強会、信徒生涯学習、黙想会など)
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「典礼部」 |
○ 聖体奉仕者・集会司式者の学習、活動調整
○ ミサや秘跡生活のための典礼奉仕グループの調整
(例、侍者、聖歌隊、伴奏者、香部屋、冠婚葬祭の手配)
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「広報部」 |
○ 教会広報誌・公式ホームページの編集
○ 主日ミサの「お知らせ」の作成
○ 教会の資料保管
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「施設管理部」 |
○ 敷地内の建物、施設等の管理
○ 備品管理
○ 清掃の計画・手配
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「財務部」 |
○ 小教区の財務全般に関する業務
○ 教会維持費や献金の集計・小教区会計の記録など
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4−3 (全員参加)
小教区の活動や奉仕業務を、一部の信徒で任せるのではなく、信徒全員が「一人一役」が徹底し、より機能的に活動するため、信徒全員が何れかの部会に属することが勧められます。部会への加入は、公募する形がよいでしょう。
4−4 (部会に所属できない信徒への配慮)
しかし、信徒が小教区で活動するとは、必ずしも部会に所属して活動することがすべてではありません。信徒各自の事情や、一人一人の積極的な自由な発意の活動も教会の重要なものです。したがって、部会以外の形態で活動することが小教区で認められ、また、「小教区評議会」にそれらの人々が適宜定められた方法で参加できるように配慮してください。
また、小教区の運営に関することを信徒がいつも自由に意見を述べることができるようなシステムも考えてください。
4−5 (「財務部」の奉仕者メンバーについて)
「財務部」に関しては、業務の性質上、メンバーは公募しないで、ブロック担当司祭団と役員とが相談し、司祭団が指名します。
4−6 (部の責任代表者)
各部会より、1名ないし2名の責任代表者を選出し、部会をまとめます。各部会の代表者の選出、任期や再任については、「規約」に明記してください。代表者は、「規約」によって、「小教区評議会」に「評議員」として派遣されます。
4−7 (その他の活動部会)
京都教区共通の部会以外に、各小教区の必要に応じて、適宜活動部会を設けることができます。共通部会にしませんでしたが、京都教区として優先的に取り組んでほしい課題があります。それらのために設置できる部会を参考のために挙げておきます。
「国際協力部」
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教区の国際協力委員会との連携
滞日外国人信徒との窓口・協力体制への推進など
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「ユースの部」
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教会の将来を考えて、「ユースの部」を設けることも出来る。今までの世代別集会である青年会のような存在ではなく、青年は小教区や教区の垣根を越えて活動しているという現状(ネットワークにおける繋がりも含む)を踏まえた上で、他の部会と対等な部会として、その機能を発揮してもらう。
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「社会活動部」
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「福祉」や「正義と平和」、「人権」など、さまざま社会活動に小教区として参画するような場合に設けるとするならば、「社会活動部」のような名称で部を設置することも出来る。
その場合、信徒各自の福音的発意による福祉ボランティアや、社会活動を規制するようなものではなく、小教区共同体として、 そのような活動の情報交換や対外的窓口、地域や行政への要望等の活動を行う。
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4−8 (○○担当)
小教区には、上記の他に例えば「墓地管理」の業務や、「滞日外国人司牧」など対外的な窓口のためにも、一定の担当者を置かなければならない活動があります。「小教区評議会」はそれらの業務や活動が小教区の公の活動となるよう支援し、かつ監督する責任があります。そのために、例えば「役員」のうち誰かをその業務の担当者とし、「小教区評議会」との連携を図ります。
5.任意団体
5−1 (性格)
各任意団体は、規約によって「小教区評議会」に代表者を「評議員」として派遣することができます。
6.小教区総会
6−1 (名称)
いわゆる「信徒総会」に代わるものとして、信徒全員が参加する小教区総会(「○○教会総会」という名称)を行うことができます。
6−2 (最高決議機関ではない)
この「小教区総会」は、小教区の最高決議機関ではありません。あくまでも、小教区の決議機関の役割は「小教区評議会」にあります。したがって、たとえばこの総会で、小教区会計の予算および決算の承認を得る必要はありません。
「小教区総会」は、信徒が誰でも参加できる、また参加すべき集会で、そこでは、すでに「小教区評議会」で決定され、司祭団によって承認された事項についての信徒への周知の機会、また信徒が小教区運営について自由に意見を述べるこができる機会とします。
6−3 (開催)
「小教区総会」を招集するのは、ブロック担当司祭団とします。開催の頻度時期は、規約に明記します。
7.規約の発効
7−1 (規約の承認)
「小教区評議会規約」の付則に、規約の発効のために教区司教による認可を得ることを明記してください。
7−2 (付記)
「小教区評議会規約」の付記に、規約の改正および、教区司教の認可年月日を記載してください。
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